今やYoutube上に無数に存在している「ゲーム実況者」だが、その数が増えすぎてしまったあまり、もはや普通にゲームをプレイするだけでは再生数が稼げない時代になってしまった。
そんな飽和状態にあったゲーム実況業界に風穴を開けた実況者の一人が、オサムこと「オサミンティヌス三世」だ。
一言でいえば、彼のプレースタイルは「ゲーム実況×歌」。
「ゲーム」のほうはフォートナイトやCODなどのFPS系ゲームを中心に、幅広い動画をみることができる。
とはいえ、彼のゲームの腕前はそこそこ、といったところで、実況自体に何か特別な特徴があるわけではない、ただ1点を除けば。
それが先述した通り、歌なのである。
しかもただの歌ではなく、歌だけでもめちゃくちゃ再生数の稼げるレベルの「歌」をオサムは持っている。
ゲーム実況に抵抗があって、純粋に歌が上手い人の「歌」だけを聞いていたい、という方には彼のサブチャンネルとも言える歌チャンネルをおすすめしたい。
もとい、彼のメインチャンネルの動画の中で最高にバズっているのは、こちらは既に歌でyoutubeにおいて確固たる地位を確立している春茶(はるちゃ)さんとのコラボ動画だ。
動画を見て頂ければわかるが、これはゲームというプラットフォームを使った、「歌ってみた」動画なのである。
こういった、ゲームの世界での偶発的な出会いを装ったコラボ動画という斬新なコント的要素と、彼の圧倒的な歌唱力という絶妙なバズり要素の混じり合いによって現在の彼の地位が確立されたわけである。
さて、登録者数は80万を超え(2019年3月現在)、出す動画出す動画数十万単位で再生数を稼ぐことに成功している彼だが、もはや影響力が強すぎてYoutube上で不思議な現象を引き起こしているのだ。
そう、それがタイトルにもあるように、丸の内サディスティックがオサムの歌だと思っているキッズが湧き出る現象である。
と、いうのも上掲のオサムが「丸の内サディスティック」を歌った動画がバズりにバズり倒したため、もともとこの曲を知らなかったゲーム実況視聴者層が他でこの曲の「歌ってみた」系動画が上がっているのを見つけるや否や、「オサムの歌だー!」というコメントを残していくと言う状況がしばしば目撃されているのである。
もちろん、この曲が椎名林檎の代表曲であると知りながらネタで書き込みをしている視聴者がほとんどであろうが、中には本当に原曲を知らないままに、「オサムの方が上手い」などと安易なコメントを残していくキッズの姿が見受けられる。
これに対し、元来からの椎名林檎ファンが大人げもなくガチギレしてしまう。
「この曲は椎名林檎の曲です。オサムとかいうやつと比べないでください。(キリッ)」
実にくだらない。
この争いは今や、「丸の内サディスティック」動画が新規にアップロードされるたびに必ずと言っていいほどに見ることのできる、いわば風物詩のような光景となった。
嗚呼、なんと平和な国、日本だろうか。
民よ、一生その地を這うように低い次元で争っていてくれ。
コメント欄でケンカしたっていいじゃない、キッズだもの。
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